米中貿易摩擦が半導体業界に与える影響とは

米中貿易摩擦は、半導体業界にどんな影響を与えるのか

2018年中旬にアメリカが中国の輸入品に対して高関税を掛けるようになってから、米中貿易摩擦、言ってしまえば、「米中貿易戦争」が始まった。アメリカの貿易赤字の半分近くが対中国であること。それに中国は「中国製造2025」という製造業大国を狙う意向を表明したことも重なり、アメリカは『知的財産権侵害の制裁として中国からの輸入品500億ドルに対して25%の追加関税を課すだろう』と言っている。

アメリカからすれば、貿易赤字が対中国であると言う事実と、中国がハイテク分野でアメリカよりも優位に立つのが気に食わないということだ。所謂、製造業大国の覇権を争っているということを意味している。

アメリカは中国からの資本財や中間財に高い関税を掛ける

「中国からの輸入品500億ドルに対して25%の追加関税を掛ける」とアメリカ側は表明しているが、その輸入品の7割近くは半導体や工場機械などの「資本財・中間財」という、中国が製造業大国になり、「ハイテク」の分野で覇権をするのを阻止するような形になった。そして中国側も復讐するように、「アメリカからの輸入品340億ドルに25%の追加関税を掛ける」と応じた。

アメリカ半導体企業の反応

アメリカの半導体企業は、トランプ大統領の「自国の知的財産権の保護」や「自国産業の保護」に対しては反対しないが、中国製品に高い関税を掛けることには反対している。なぜなら、中国から輸入した半導体で、アメリカ側が設計・製品が作られているためである。

中国の半導体企業の反応

中国国内の半導体需要は高まっていため、今は供給が追いついていない状態で、現在の中国の半導体はアメリカなどからの輸入に頼っている。そのため、「中国製造2025」という国内の「ハイテク」の分野を強化するために、政府も補助金を出して取り組んできたが、中国経済が想像以上に悪化しているため、どれくらい長続きするかは分からない。

米中の半導体企業どちらも、この政策には大きく賛同できないというのが正直なところだろう。

日本の半導体企業は優位に立てる

中国からの「資本財・中間財」にアメリカ側が高い関税を掛ければ、日本やその他アジアの半導体企業が優位に立てることは言うまでもないことだろう。理由は単純で、中国製の半導体が、アメリカに輸出される回数が確然と減るためだ。そのため、アメリカで直接投資を行い、原価を下げる企業が出てきても不思議ではなくなるのだ。

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