なぜ中国では IT 産業が急激に成長しているのか

中国のIT産業が急激に成長している理由

一時は発展途上国としての扱いを受けていた中国は、今や IT 産業の1,2位を争う存在となっています。

しかし、その背景には時代の要請と逆行した中国の特殊な社会構造があります。今回はそこを中心に、中国でなぜIT産業が急激に成長しているかを見ていきましょう。

社会主義国としての「プライバシー意識」の低さ

アメリカや日本が資本主義をとっているのに対し、中国は社会主義的な立場をとっています。言うなれば、政府が国民の生活を管理し、不公平がないよ うに是正する体制です。ただし、社会主義とはいっても市場経済も存在し、 国の管理下で競争する構造もあります。

しかし同時に政府の判断で市場経済に割り込むこともできます。それゆえ、アメリカや日本の社会構造として大きく異なるものがあります。それが、プライバシー意識の低さになります。

アメリカや日本は完全なる資本主義のため、基本的に自らの資本、ひいては自らの身を自分で守る必要があり、それゆえ、プライバシー意識が高くなります。他者の手によって自らの個人情報を漏洩させられることに敏感になりやすいのです。

しかし中国のような社会主義では、そもそも政府に管理される前提で社会が成り立っているため、プライバシー意識が比較的低いのです。事実としてインタ ーネットなどは政府によって検閲されています。

そしてその社会構造は、自信の手で個人情報を有益なサービスに渡すことにつながっていきます。

個人情報ビックデータによる自動化

アメリカや日本では簡単に手に入らない個人情報が比較的容易に中国で手に入るとすると、これを日々の利便性につなげない手はありません。個人情報を様々情報と結びつけることで、日々の利便性をさらに向上させることができ ます。

日本には、昔ながらの店で顔なじみになると「顔パス」などといわれて優遇されることもありますが、個人情報の紐づけと多数のカメラによって、実現可能になります。

例えば、コンビニ等で支払い無しで商品を持って行っても、カメラによる顔認証によって、本人のクレジットカードから引き落とされる、なんてことも可能です。

事実として、中国国内には既にこのようなシステムの店舗が存在します。このように資本主義国にはできない自動化を図ることができるのが中国のIT産業を急速に発展させた一番の要因だといえるでしょう。

まとめ

上記のように、中国は急速に発展しており、近い将来にアメリカのIT産業をも抜くと言われています。

しかし、プライバシーの観点から相当にリスクがある行為でもあり、大多数の資本主義国は、この中国式社会主義ITと対抗するべく、個人情報に関する管理の強化を図っていますが、このような社会での利便性を資本主義の国民が目の前にしたとき、果たして「中国式社会主義IT」と「資本主義IT」のどちらが生き残るのでしょうか。

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