なぜインドは IT 産業が発展したのか

インドのIT産業が成長した訳

この情報社会において、今後ますます需要が高くなっていくと予想されているIT産業ですが、ここ最近では、IT産業の中でも、インドがIT大国と呼ばれ、企業がインドに拠点を構えたり、インド人のIT職の従事者が増えたりしています。今回は、なぜインドはIT産業が発展したのかを探っていきます。

インド特有のカースト制度の影響を受けない

かつてインドには、カースト制度なるものがありました。現在はもちろん廃止されていますが、人の心の中に根付いた区別の仕方は簡単に消えるものではありません。従って、事実上はまだカーストの影響を受けていますといえます。

そして、カーストの下の者は、一生懸命努力したとしても、身分より高い職に就けることを意味しません。しかし、IT産業は、カースト撤廃後にできた産業であるため、カーストの影響を受けませんでした。従って、カースト下位の人間を中心に、IT産業は自分の貧困を変える希望の光として受け入れられていきました。

インド人の数字に対する能力の高さ

上記の理由から、IT 産業の仕組みを学ぶため、カースト下位の人間でも高等教育を受ける人間が増え、その意欲もまた高い水準を保ちます。

加えて、インドでは数学に対する理解がより深く、IT産業にとってはまさに必要な人材の宝庫といえます。これは公用語のヒンディー語の性質であり、日本の数学のように0~9を覚えれば、後は組み合わせで表すということができないためです。実際にインド人は、日本でいう九九を20×20まで覚えているそうです。

準公用語が英語である

またインドは、かつてイギリスの植民地であった、という過去も持っています。故に、凖公用語として英語が採用されており、実はその普及率はは公用語のヒンディー語を超えるといわれています。

従って、IT産業の本場シリコンバレーがあるアメリカとのコミュニケーションが容易に行えることや、英語を用いれば、さまざまな国の人がコミュニケーションをとることができるため、さまざまな企業がスムーズにインドを拠点として利用することができます。

時差がシリコンバレーとの連携に都合がいい

また、シリコンバレーとのコミュニケーションをする上でもう一つ、都合が良いのが時差です。インドとアメリカ・シリコンバレーの時差が12時間なのですが、これは、丁度シリコンバレーが夜の時、インドが朝である、といったように、生活リズムがちょうど反対になる時差といえます。

つまり、シリコンバレーで夜まで作業して、インドの協力者に連絡するとインドは昼間なので、その連絡を直ちに受け取って早急に作業ができるというわけです。これは、時間を有効に運用できる大きなメリットといえます。

インドはIT産業を大きく発展させることができましたが、その裏には歴史・言語・地理など、さまざまな要因があり、それらが結びついた結果、IT 大国と呼ばれるまでになった、といえそうです。

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